ソフトテニス愛好家の皆さんへ。ルールが改正されて約8年経ちました。前衛にとっては非常に楽しくなった反面(そうは思わない人もおられますが)、我々シニアには膝への負担が大きくのしかかって来ています。
今回は、昭和56年全日本選手権シニア45歳の部の覇者である京都紫郊クラブ:仲本暢久氏より「新ルールについて」のコメントを頂きました。既に、日本ソフトテニス連盟「ソフトテニス8月号」に掲載されましたので、読まれた方もおられると思いますが、ご紹介致します。御意見があれば、宜しくお願い致します。
新ルール設定にあたっては、長期間にわたる多くの方々の叡智の結果と、苦労を重ねての成立であったことを思い、深く感謝しているところです。1992年、日本ソフトテニス連盟専務理事の西村信寛氏が新ルール設定の趣旨を単的にまとめられている。
『現在のソフトテニスは、前・後衛の技術的役割分担の鋭化傾向があり、全般的に勝敗偏重や勝負の単純化がみられ、硬式テニスに比し大衆性を失いつつあると思われる。
それらを是正し広く一般大衆に親しまれるスポーツとして国内外における一層の普及を図るためプレーヤーの平等性を確保し、かつ全員攻撃、全員防御の原則にたった、より多様で柔軟なゲーム展開を指向するとともに、シングルスの導入により競技者個人の評価が明確になるよう図るなどを主眼にしたダブルス・シングルスの新ルールを設定する。
このことにより、ソフトテニス5ヵ年キャンペーンの主要目標である競技性の広がり、大衆性の広がり、国際性の広がりの促進を期す。』
私はこの趣旨に賛同する立場、及び現役競技者として、ソフトテニスがより国際的に高まっていくことを願って、意見を述べさせて頂きます。
私はスポーツの大原則は「人間が競技し、人間が判断し、人間が見て楽しむもの。そのために人間がルールを作っていく。」であると理解しております。
このことからソフトテニスのルールも、
● 競技者にとって、自然に流れるように、競技が進められる。
● 見る者にとって、分かりやすく楽しい。
● 審判は、無理なく判断しやすい。ものでなければならないと思います。
ソフトテニスは、その歴史ある伝統を重んじ、その特質を生かし、発展させなければならないことは無論のことですが、その上、さらに工夫し、改善し、より多くの人が面白く楽しめるスポーツにしていかなければなりません。
サービスの順番が間違っていた場合について 例1 3ポイント目にBさんのサービスの順番であったが、うっかりしてAさんがサービスをしてしまった。 A アンパイヤーは、事前に「サービスの順番が違います」等言わない (平等性を保つため) 例2 アンパイヤーが気付かずポイントの決着がついた。 直後に相手側から「サービスの順番が間違っている」と異議の申し立てがあった。 対応 この場合はアンパイヤーが確認し、違っていたら「インターフェア」でサービスをした組の失ポイントになる。 (そのポイントに限る) ※ 上記と同様に1ゲーム中にレシーブの順番が違っていた場合もインターフェアである。 ※ 以上国際競技規則日本国内大会適用ルールとする |
本規則について、前述したスポーツの大原則からいって「平等性を保つため」に、間違いを犯そうとしている競技者に、忠告すらしない審判員に対して、競技者は快く競技できるだろうか?また、見ている人は楽しいだろうか?
このような順番の間違いは、現実にしばしば見られます。その原因は、A・Bのプレーヤーが2回ずつ交代でサービスすることにあります。
さらに問題と思う点は、例2ではサーバーと確認しなければ気付かなかったアンパイヤー、及び間違いに気付かずレシーブをしたレシーバの3者は同様に間違いを犯したこととなります。それにも関わらずサーバーのみが責任をとらされ、失点となるのには矛盾がないでしょうか。
これは当然、ノーカウントにすべきだと思います。
新ルールのすばらしい点であるオールラウンドプレーを促進することから考え、A・Bのプレーヤー共にサービスすることは高く評価できることですが、将来的には2回ずつではなく、そのゲーム終了まで一人がサービスを続けるべきだと思います(但し、ファイナルゲームは除く)。
以上、スポーツの大原則である「人間が競技し、人間が判断し、人間が見て楽しむもの。そのために人間がルールを作っていく。」に立ち返り、最も改善して頂きたい点を述べさせて頂きました。是非とも宜しくお願い致します。
1回目の今回は、サービスの順番間違いに関する適用ルールについての意見を掲載させて頂きました。実際にプレーされている選手の皆さんはどのように考えておられますか?ご意見ありましたら、どしどし寄せて下さい。
また、その他のルールについて考えておられる事があれば、お願い致します。次回は、「プレーヤーのポジション固定」について、引き続き仲本氏のコメントを掲載させて頂く予定にしております。